日々草の唄

死ぬまで生きる日々のようす

人形制作日誌_151111

作っていたくて仕方ない感じです。

 

前回投稿した、肋骨の胴体とその頭部は、なんと完成しています。
自分にしては脅威的スピードです。

 

あとは、お腹の中にいれる、薔薇のコーティングですとか、鏡の破片を作るために、ガラスの鏡を調達したり(最近の鏡は安全とコスト削減のために、アクリルが使われてるですよね~)、台座を作ったりせなければならんので、ひとまず放置して、別の人の作業に移ります。

 

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☝メイクが終わった状態の顔

 

この人の顔は、かなり気に入っています。
予期せずも、なんか師匠の作る人形の顔に近くなってしまいましたが、今までで一番「美人(この場合、黄金比の整った顔を指す)」ですし。

 

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☝唇も、お気に入りです。

 

(単に肉体の柔らかさとか皺とか捩れが好きなんですが)おちんちんも、すごい美とリアルの狭間を追及してるんですが、写真を載せるとマズイので載せません。

 

最近、人形作りが楽しくて仕方ありません。
厳密に言うと「楽しい」とは違うのかもしれませんが、せずにおれません。

 

もっとたくさんの顔を作りたい。
もっとたくさんの顔を見つめたい。
もっとたくさんの顔に出会いたい。
違う言葉でも、求める欲求は同じで、何故こんなにも人形を作っていたいのか分らない。

 

単に(肉体的には苦痛ですが精神衛生上)気持ちいいからかも知れないし、孤独や不安からの逃避かも知れないし、切なさややるせなさの矛先かも知れないし、その全てのような気もするけれど、そんなことはどうでもよくて、ただ「その子」が作れればそれでいいと思う。

人形制作日誌_151027

7体目に完成する予定のオブジェ人形の胴体を固定しました。

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完璧に乾いたら、ドリルで穴を空けて、棒を通して補強します。
11月には塗装できそうです。
お腹には鏡の破片とか、薔薇を詰めたいです★

 

この段階にくると8体目予定の人を作りはじめたいところなんですが、どの人に着手するか悩ましいところ。
来年の3月の展示に何を展示するかとか考え始めると、ちびっこ人形やパーツのみのとかのがいいのでしょうが、自分は顔をうにゃうにゃ弄ってるのが好きなので。。。

 

うーん、どうしようかな。
全身そろった人形で、前々から作りたい人が2人、さらに最近、パステル調を誉められてふと作りたくなってしまったのが2人の計4人はいるんですけどね。

 

ひとまず展示用に、この7体目のような肋骨シリーズで女の子を作ろうと思っています。
この7体目が、自分の中では性格のいやらしい人やなぁ~というイメージがあるので(師匠には優しげな顔とか言われてるのが謎です)、肋骨シリーズで女の子を作るなら、とっても薄倖そうな人にしようかなぁ~と思っております。
んで、合間にちびっこ人形を作れそうなら作る計画。

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☝︎優しげには見えないと思うんですけど…


作り始めてある程度経つと、ぽや~んとしたイメージだけだった人形が、個としての存在や意志を持ってくるので、それと対話というか、自分の色んな感情や感覚や記憶をその人と反芻しながら作業するのが好きなんですよね。

 

3体目までは、割と苦しいと感情が渦巻いていましたが、4体目からは諦念や切なさが根底にありつつも、なんか恍惚とした気分が反芻しています。

 

その段階までに行くのにすんなり、行く人と行かない人がいて、相性ですとか、そのときの自分の心境によるのかも知れませんが、作りかけの人が着々と増えております。。。

ある日の欠片_151026

最近、思ったこととか、感じた変化とかをつらつらと。

 

自分は人形を作ることが好きなのですが、それで「展示がしたい」のか「売りたい」のか、それを決めたうえで、必要な戦略の重要さとか。

 

戦略が予定通りに上手くいくというのは、戦略そのものも大事ですが、場数ですとか、今自分がどういう立ち位置にいて、どういう人に影響力があるのかとかの状況分析能力も大事なのだなぁともしみじみ。

 

戦略戦略というのも嫌ですが、うまく行かない理由とかも何も考えず嘆くのもイヤなので、淡々と考えて、できるだけ実行したいなぁと思います。
来年の3月に自分企画で3人展をするのですが、何もかもが初めてのことなので、たくさん失敗するでしょう。確実に。
実行して失敗して、次回につなげようと思います。
失敗しすぎたとしても、色んな発見がありましたよ~と楽しむスタンスで★

 

自分は、物心ついたあたりから、勝手に親が哀しむとか、色んな周囲の期待を先回りに先回りして、周囲の望むようにと行動し、自分を偽って自分の首を絞めるような質があります。
結果論として、その首絞め行為は、不器用で人見知りな子どもであった自分が体得した「処世術」だったわけなんですが、その「処世術」を使う限り、自分は苦しいばかり。
失敗を極度に恐れ、とくに、自分のしたいことで失敗するのは、最も許されない!と思っていたので。

 

中学・高校・大学の途中まで、したいことであった「絵や漫画を描く」を避け、22歳のときにようやく色々と自分の中で決めて、したいことになった「人形制作」をし始めました。
頭では分かっていても、体や思考の仕方が長年の強迫観念にとらわれ続けていたのですが、ようやく、「失敗してもいいから行動する」というのをできそうです。


そんな心境になったのは、ここ8ヶ月くらいの心境の変化ですね。

徐々にリハビリをしてる感がすごいです。
でも、徐々に変わっていけているんやなぁ~とも思います。


ありきたりですが、自分に関わってくださっている方々に感謝してます。。。

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異色の鉛筆画3人展、開催中です

ただいま、ぎんけいさろん&ギャラリーにて「異色の鉛筆画3人展」を開催しております。

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「異色の鉛筆画3人展」
〜中井結・飴屋晶貴・西牧徹〜
(ゲスト:ひさうちみちお・犬養康太)
2015/10/14(水)〜10/22(木)※日曜休廊
13:00~19:00
ぎんけいさろん&ギャラリー
東京都中央区銀座1-16-5 三田ビル3階
入場無料

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自分は何かというと、期間中、不定期ですがここのスタッフをしております。

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☝会場風景です

中井サンは、ある理由からご自慢(?)のネコを封じられたことから「猫耳」の連作と足穂なBLものを出展されてます。

自分は割としつこく絵を見て、モチーフだの何だのを見つけたり、考察するのが好きなんですが、中井サンの作品は「これでもか!」と言わんばかりに、色んなエロティックな暗喩が詰め込んであってとても見てて面白いです。

会期中、大半在廊されるとのことですので、気になる箇所はご本人に聞いてみるといいかも知れません。

 

飴屋さんは、江戸川乱歩夢野久作といった、自分も好きな怪奇小説をテーマにした作品を出展されてます。

黒の塗りも、描きこみもすごいのですが、個人的には、紙の地の部分の残し(つまり、鉛筆画では白色になる箇所)具合の超絶技巧に、制作過程を想像するとクラクラしてきます。

特に、ある作品に蝉が描きこまれている(というか、浮かび上がっている?)のですが、すごいです。すごすぎて、なんかコワイです。

来場者の方は、まずこれが鉛筆画、それも原画であることに驚かれることも。

 

西牧さんは、旧作に大幅な加筆をした作品を出展されています。

西牧さんの作品の中でも、クマちゃんですとか、かわいいモチーフが描かれたものも数点。いつもインパクトのある、濃厚なエロスが魅力な西牧さんの作品ですが、今回展示している、「いつも」とは違った雰囲気の作品は、緻密で繊細な描画により引き寄せられます。あと、鉛筆で描いたとは思えない奇麗な「黒」もお見逃しなく。

 

10月17日には、時間は未定ですが、夕方ごろには御三方がギャラリーに集合されるとか。

 

自分もスタッフをしているかと思いますので、お気軽にご来場いただき、異色な鉛筆画をご堪能いただけましたら幸いです★

 

 

 

人形制作日誌151009_最近の作業と少年人形の完成

最近、特に人形を作るのが楽しくてたまりません。

次は、ちょっと遊び心で肋骨が露わに。

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この胴体の主となる頭部は、イメージだけ決まっていて、大体のアタリはできているので作り込むのみ。
5・6体目を同時に作っていたので、少しは造形力が上がったのか、割とイメージ通りに肋骨がサクサク彫れて楽しいです。

ちなみにこれを作り出す前に、肋骨の構造について調べたのですが、一本一本のつなぎ目が蔦のように捻じれつつ、ついているんですね。
正面の解剖図や安い骨格標本では、全然わからなかったです。
その捻じれとかが、強度をよくしたり、衝撃を緩和する役目があるんでしょうが、自然の無駄のない洗練された形は本当に美しい。

さて、少年人形が先日完成しました。

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この人、何故かとっても撮影しづらいです。
たぶんとろんと、若干伏し目がちであるのと、彫の深さから目の周囲が影になってしまうのが1番の原因であると思うんですが。

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この人は、5体目の少女人形よりは、血管や肌の赤味など、かなりリアルにしています。
瞳の造形をはじめ、唇、性器の色合には細心の注意を払いました。

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この人の顔とかについて語れることは色々自分の中にあるのですが、それは秘密★

自分は、よい人形とは、鑑賞者の心をそのまま映し出すような鏡のような人形だと思っています。
その映し出し具合は、鑑賞者と人形の相性もあると思うんですが、この人はなかなかいい具合に自分の心を映し出してくれます。

少女人形とは対のような雰囲気になっていて、少女が陽で、少年が陰に自分は思っていましたが、先日この2体を見た人は全く反対の意見を言っていたので、大変興味深かったです。

そのうち、2体一緒にちゃんと撮影してあげたいです。